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上関原発反対派が敗訴 入会権確認訴訟 最高裁が上告棄却

 中国電力の上関原発建設予定地に当たる山口県上関町四代地区の山林をめぐり、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は15日までに、入会権の確認を求めた原発反対派住民の上告を棄却する決定をした。差し戻し控訴審で入会権の成立を認めなかった原告敗訴の広島高裁判決が確定した。決定は12日付。

 決定は、原告の上告理由が事実誤認や法令違反を主張するもので、上告審の対象に該当しないとした。

 訴訟は4人が2004年、入会権確認などを求めて提訴した。土地所有権の移転登記の抹消と中電による工事禁止の請求は、原告の控訴を退けた広島高裁判決が確定。入会権については広島高裁が13年12月、差し戻し控訴審で原告の請求を棄却した山口地裁判決を支持していた。提訴した住民の死亡や転居で唯一の原告となっていた竹弘盛三さんが昨年11月、87歳で亡くなっていた。

 中電は「上関原発の建設に向け、引き続き理解活動に取り組む」とのコメントを出した。(井上龍太郎)

(2015年6月16日朝刊掲載)

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