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伊方原発避難者 広島に受け入れ 県、事故時対応で調整

 広島県は、四国電力伊方原子力発電所(愛媛県伊方町)で重大事故が起きた際、愛媛県からの避難者を受け入れる方向で調整を進めている。愛媛県が、15日にまとめた広域避難計画の修正版に方針を盛り込んだ。受け入れる施設や収容できる人数、避難ルートなどの詳細は今後、詰める。

 広島、山口両県と四国4県、大分県の伊方原発周辺7県でつくる防災担当者の会議が10日、避難者の広域避難について「協議し、適切に対応する」と確認した。災害発生時の連絡体制を整備し、愛媛県が開く原子力防災訓練に他県が参加することも合意した。

 伊方原発で大きな事故が起きた場合、放射線など影響が広域に及ぶことが見込まれるため、連携を深める狙い。同原発から県境まで約60キロとなる広島県危機管理課は「隣県での有事で連携するのは必要なことだ。これからしっかり協議を進めたい」としている。

 これまでの避難計画では、伊方原発の半径30キロ圏の住民が、愛媛県内の自治体と大分、山口両県に逃げることを決めていた。山口県は、小学校や公民館など具体的な避難施設として計843カ所を示している。

 一方、広島県は昨年5月、中国電力島根原発(松江市鹿島町)の重大事故に備え、島根県から避難者を受け入れる協定を結んだ。島根原発の30キロ圏内に住む約40万人のうち約17万人を、大崎上島町を除く22市町に迎えることとしている。(新谷枝里子)

(2015年6月16日朝刊掲載)

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