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全ての原発 廃炉を 広島に転居の米詩人 原爆資料館で講演

■記者 田中美千子

 福島第1原発事故後に東京から広島市内に転居した米国出身の詩人アーサー・ビナードさんが23日、広島市中区の原爆資料館で、「ヒロシマからフクシマまでの道」をテーマに講演した。日本ジャーナリスト会議(JCJ)広島支部主催。約130人が聞き入った。

 ビナードさんは、1953年に米国のアイゼンハワー大統領が提唱した「アトムズ・フォー・ピース(平和のための原子力)」について、「核開発を続け、利権を維持するためにホワイトハウスが巧みに打ち出した言葉だ」と強調。「ごまかされてはいけない。全ての原発を廃炉にし、核保有国でないとのアピールを」と訴えた。

 また転居の理由については「フクシマ問題をとらえるには、ヒロシマのレンズを通さないと見えないものがある」などと述べた。

 広島大原爆放射線医科学研究所元所長の鎌田七男医師や佐賀大の田村栄子元教授も講演した。

(2011年7月24日朝刊掲載)

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