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柳井で騒音苦情急増 4・5月58件 昨年度の8倍 米軍機 市、対策強化要望へ

 米海兵隊岩国基地(岩国市)の米軍機とみられる航空機騒音への苦情が、本年度に入り柳井市で急増していることが16日、分かった。4、5月の2カ月間で58件寄せられ、年間で7件だった昨年度の8倍に達した。記録を取り始めた2011年度以降で最も多く、井原健太郎市長は騒音対策の強化を国に要望する方針を明らかにした。

 市によると、苦情は岩国市に隣接する柳井市神代地区で特に増えた。市は同地区で今月1日から6日間、午後1~7時に飛行実態を調査。輸送機や戦闘機など45件の飛来があり、うち11件は騒がしい街中や掃除機の音に相当する70デシベルを超える騒音だった。騒々しい工場の中の音量に匹敵する90デシベルを瞬間的に計測した日もあった。

 市は県や岩国市、和木、周防大島両町と協議会を設け、訓練に関する情報提供などを中国四国防衛局に要望してきた。防衛局は12年、神代地区に騒音測定器を設置。国の米軍再編交付金の支給対象となる騒音基準を下回る数値が続き、柳井市は騒音対策やハード整備に活用できる交付金を受け取っていない。

 井原市長はこの日の市議会本会議で、「騒音の実態を踏まえ、市独自で対策を要望したい」と説明。国による測定器増設や調査態勢の充実を求める考えを示した。(井上龍太郎)

(2015年6月17日朝刊掲載)

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