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被爆者 高まる期待 外相会合 広島で調整 核廃絶訴える好機

 来年の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に先立つ外相会合を広島市で開く方向で政府が調整に入ったのを受け、被爆者たちは17日、期待を高めた。

 広島県被団協(坪井直理事長)の箕牧(みまき)智之副理事長は「核兵器廃絶に向けた切実な願いを届けるチャンスだ」と声を弾ませた。サミット開催地から漏れて落胆したばかりだったが「核兵器保有国をはじめ各国の外交責任者が来るのなら、意義は十分ある」と受け止める。

 もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長も「十分に時間をとって、被爆地で原爆被害の実態を学んでほしい」と訴える。4~5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の最終文書案では政治指導者らの被爆地訪問の記述が削られる問題が起きただけに「核兵器が人々に何をもたらすか、世界には十分に理解されていない。自分の目で、耳で確かめ、核政策を見直してほしい」と開催実現を願った。

 一方、官民でつくるサミット誘致推進協議会を代表し、広島県の湯崎英彦知事、松井一実市長、広島商工会議所の深山英樹会頭は18日、外務省で岸田文雄外相に会い、外相会合の広島開催を求める要望書を提出する。各国首脳が来日時に被爆地を訪れ、原爆の実態に触れるよう政府の働き掛けも求める。(田中美千子、和多正憲)

(2015年6月18日朝刊掲載)

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