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宇部の石炭火電 計画の見直しを 山口知事が意見書

 山口県の村岡嗣政知事は17日、山口宇部パワー(宇部市)が宇部市で計画する大型石炭火力発電所の建設に対する環境影響評価(アセスメント)の意見書を同社に提出した。環境省が12日、温暖化につながる二酸化炭素(CO2)の排出量が増えることを理由に「現段階では是認しがたい」と表明したのを受けて、計画の見直しを含めた対応を求めている。

 村岡知事は意見書で「周辺には既に8カ所の火力発電所がある。施設の稼働で大量のCO2が新たに排出される」とし、国が検討している温室効果ガスの削減目標との整合性が示されていないと指摘している。

 微小粒子状物質PM2・5の大気中濃度の上昇を抑えるための最新鋭処理施設の導入や、温排水の排出による海の環境への影響を減らす手だても求めた。

 山口宇部パワーには電源開発(Jパワー、東京)と大阪ガス(大阪市)、宇部興産(宇部市)が共同出資。60万キロワット級の石炭火力発電所2基を宇部興産の敷地内に造る計画で、23年に1号機、25年に2号機の運転開始を目指している。

(2015年6月18日朝刊掲載)

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