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反核 若い力が担う 福山市原爆被害者友の会 盈進学園 協定締結へ 平和学習などで協力

 福山市の被爆者や遺族、被爆2世でつくる市原爆被害者友の会が近く、同市千田町の盈進学園と協定を結ぶ。同学園は賛助団体となる。同会は、同学園の中高生に活動を手伝ってもらったり、平和学習に協力したりする。県被団協(坪井直理事長)によると、被爆者団体が学校など他機関と協定を結ぶのは珍しいという。(小林可奈)

 7月初旬までに盈進学園で調印式を開く。同会は、原爆死没者慰霊碑(同市霞町)の清掃活動、8月6日に同碑の前で開く慰霊式典、被爆の証言会などに、生徒に参加してもらうことを検討している。

 同会は福山市で約60年活動した被爆者団体の解散を受け、被爆2世の藤井悟さん(68)を会長として4月に発足。約40人の会員がいる。核兵器廃絶を目指す平和活動の輪を広げたいと市内の学校に協力を呼び掛け、盈進学園が応じた。

 盈進学園は中高一貫校を運営し、生徒数は約1200人。平和教育に力を入れている。生徒は、核拡散防止条約(NPT)再検討会議に合わせて米ニューヨークの国連本部を訪れたり、核兵器廃絶の署名活動をしたりしている。

 藤井会長は「賛同は心強い。協力して核兵器廃絶や平和について訴えていきたい」。菅龍人校長は「次世代を担う若者が、平和の尊さを知って活動を広げていくきっかけにしたい」としている。

 同会は今後も賛同者や賛助団体を募る方針でいる。

(2015年6月20日朝刊掲載)

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