×

ニュース

放影研、大型保冷庫を組み立て 被爆者の血液・尿を一括管理 広島

 放射線影響研究所(放影研、広島市南区)は、被爆者が提供した血液や尿を一括管理する大型保冷庫の部品搬入と、組み立て作業を進めている。省スペースや管理の効率化が狙い。9月にも本格稼働させる。

 保冷庫は米国メーカー製で高さ約2.8メートル、幅約14メートル、奥行き約3.2メートル。19日、約100平方メートルに作業員約20人が発泡ウレタンを金属で挟んだパネルを搬入し、組み合わせて箱形を作った。8月末までに内部に排熱設備や棚、試料の出し入れをするロボットなどを整備する。

 放影研によると、2013年秋時点で施設内には約60万の試料を小型冷凍庫で保存。今後20年間でさらに約80万を集める見通しという。大型化で約200万の試料を零下80度でまとめて保存できる。機械管理のため、出し入れ時のミスも防げるという。事業費は約3億円。

 放影研生物試料センターの児玉喜明センター長は「将来の調査のためにも大型保冷庫でより確実な保存をしたい」と話している。(菊本孟)

(2015年6月20日朝刊掲載)

年別アーカイブ