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ノグチの欄干 コンクリ片落下 補修予定の西平和大橋 老朽化 広島市が応急処置

 広島市中区の西平和大橋で19日、彫刻家イサム・ノグチ(1904~88年)がデザインした欄干から、コンクリート片が落ちているのが見つかった。市は、老朽化が原因とみている。この橋は2015~18年度に補修する計画があるため、市は最終年度まで応急処置でしのぐという。(菊本孟)

 西平和大橋は本川に架かる全長約100メートルで、52年3月完成。手すりのように2本の円柱を渡した欄干のデザインは、元安川の平和大橋とともにイサム・ノグチが手掛けた。

 市道路課によると、剝がれ落ちた箇所は、南側ほぼ中央の欄干の下部。約30センチ下の歩道脇に縦7センチ、横22センチ、幅2センチ、重さ400グラムのコンクリ片が転がっていた。雨水が染み込み内部の鉄骨がさびたのが、原因とみられるという。

 市は緊急点検で、橋全体を目視し、金づちで音も確認した。北側の欄干の1カ所も傷みが激しかったため、コンクリ片を剝がした。応急処置としてむき出しになった鉄骨のさびを防ぐ処理をする。

 補修計画は、舗装や橋の下部のひび割れの補修を優先。欄干の補修は18年度になっている。道路課は「現状では橋の機能に問題はない。定期的に点検したい」としている。

(2015年6月20日朝刊掲載)

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