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アルジェリアの研究者 仏核実験の被害を広島で報告

■記者 城戸収

 フランス植民地時代に繰り返された核実験の被害を調査するアルジェリアの研究者が初めて広島市を訪れ、5日、実態を報告した。昨年2月に現地で被爆体験を証言した広島県被団協の坪井直理事長(83)とも再会し、ヒバクシャの連携をあらためて誓い合った。

 政府機関の核実験影響調査班のメンバーでアルジェリア核科学技術学会のアンマール・マンスーリ会長(52)。原水禁国民会議系の原水爆禁止世界大会の関連集会に参加した。

 フランスは1960年代、大気圏と地下の計17回の核実験をアルジェリアのサハラ砂漠で実施した。その被害者の掘り起こしは90年代半ばにようやく始まり、実験場周辺住民のがん発生率は高いという。

 坪井理事長はマンスーリ会長が企画と運営に携わった昨年2月のアルジェリア政府主催の核実験被害者の国際会議に参加。この日、会場に駆け付け、再会を喜び合った。

 マンスーリ会長は「被爆者運動の経験を教えてほしい。ヒロシマは同じ戦いを続ける仲間だ」と何度も握手。坪井理事長も「フランスに賠償を求めていくには被害者の団結が大事」とアドバイスしていた。

(2008年8月6日朝刊掲載)

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