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被爆の実態学習 広島市教委 独自プログラム骨子公表

■記者 教蓮孝匡

幅広い視点養成 平和教育へ2本柱

 広島市教委は27日、市立小中高校で2013年から始める独自の平和教育プログラムの骨子を公表した。被爆の実態に加え、国際情勢を踏まえた幅広い視点で平和への理解を深めていく2本柱で内容を構成している。本年度中にテキストの試案を作成し、来年度からモデル校で試行する。

 小学1年から高校3年までを4段階に分けて内容を設定。各学年とも年3~5時間を充てる。小1~3は独自に作ったテキストや絵本で被爆後の広島の様子や被爆者の心情に触れる。小4~6は被爆者から直接体験を聞いたり、市の復興の歩みを調べたりする。

 中学と高校では社会科の教科書も活用し、民族紛争やテロもテーマとする。うち中学では戦争や世界平和について自分の意見を持つことを目指す。高校では国際的な課題の解決方法を各自が探る。

 平和教育プログラムは、被爆体験の継承や国際課題への理解を深めるため、市教委が5月から策定作業を開始。大学教授や原爆資料館職員、校長たちでつくる委員会で議論している。

 市教委指導2課の登民夫課長は「さまざまな視点から主体的に平和問題を考える力を養いたい」と狙いを説明している。

(2011年7月28日朝刊掲載)

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