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直後の惨状 絵を使い証言 NPT会議で渡米 被爆者ら報告 土屋さん「子どもら真剣だった」 笠岡

 米国で今春開かれた核拡散防止条約(NPT)再検討会議に合わせ、現地に派遣された県原爆被爆者会会長の土屋圭示さん(87)=笠岡市富岡=と、県原水協の樋之津倫子さん(67)=同市生江浜=の報告会が20日、同市保健センターであった。被爆証言や平和行進を通し、核兵器廃絶を訴えた取り組みを紹介した。(小川満久)

 土屋さんは、再検討会議のあったニューヨークの国連本部ロビーや現地の学校で被爆証言。「被爆直後の広島市内の惨状を描いた絵を見せながら原爆の恐ろしさを伝えた。子どもたちが本当に真剣に聞いてくれた」と語った。

 樋之津さんは、ニューヨークでのピースパレードに参加。「一緒に参加した現地の女の子が『平和が好き。核をなくそう』と話してくれた。今回の経験を生かし、今後も平和に向けた行動を続けていきたい」と抱負を述べた。

 笠岡市や市原爆被爆者会でつくる市非核平和都市宣言啓発実行委員会などの主催で、市民約30人が参加。市内外で集めた核兵器廃絶署名が1万4779筆に上り、再検討会議議長に届けられたことも報告された。

 同市西大島の主婦原田千鶴子さん(71)は「2人の活動報告を聞き、あらためて平和の大切さを痛感した。被爆70年のことしは、平和集会などに積極的に参加していきたい」と話していた。

(2015年6月21日朝刊掲載)

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