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原爆投下の年・月日・時刻 高学年児童 正答率33% 広島市教委調査 中学生55% ともに最低

■記者 教蓮孝匡

 広島市立小学校4~6年の児童で昨年、広島へ原爆がいつ投下されたかを全て正確に答えられたのは3人に1人(33・0%)だったことが27日、市教委の調査で分かった。1995年から5年ごとに実施している調査で、前回より16・6ポイント低下した。中学生も55・7%にとどまり、いずれも過去最低となった。

 調査は昨年6~8月、無作為に選んだ市立の小中高校や市教委の主催行事で実施。広島に原爆が落とされた「年」「月日」「時刻」の三つを質問。小学4~6年生1153人、中学生1047人、高校生587人が回答した。

 初めて対象にした高校生は66・3%が三つを正確に理解していた。完全正答率の前回比は小学4~6年生だけでなく中学生も急減し、11・9ポイント減となった。長崎への原爆投下についても聞き、三つを正しく答えたのは小学生4・5%、中学生12・2%、高校生16・8%だった。

 原爆の投下は、広島が1945年8月6日午前8時15分、長崎は同年8月9日午前11時2分。市教委は「被爆後60年以上が経過し、児童、生徒に原爆への関心が明らかに低下している」と分析。2013年度から市立小中高校で始める独自の平和教育プログラムで被爆体験の継承を強化する。

(2011年7月28日朝刊掲載)

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