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核廃絶へ具体策探る 長野 国連軍縮会議が開幕

■記者 岡田浩平

 国連軍縮会議が27日、長野県松本市のホテルで始まった。3日間の日程で24カ国・4国際機関から実務家、研究者ら92人が参加。「核兵器のない世界に向けた緊急の共同行動」をテーマに具体策を探る。

 昨年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で合意した64項目の行動計画の進展▽今年2月に発効した米国とロシアの新戦略兵器削減条約(新START)に続く核軍縮措置―の両議題で、核保有国の関係者を中心に質疑が相次いだ。

 米国のスーザン・バーク核不拡散担当大統領特別代表は新STARTに続き「戦略、非戦略、配備、未配備を含め全体的な核の数を減らしたい」と意欲を強調。ロシア側はウラジミール・エルマコフ多国間軍縮課長が欧州での通常兵力差などを挙げて「こうした問題を考慮せずにロシアは核を削減できない」と指摘した。

 一方、中国に核軍縮交渉を求める声に対し姚云竹・人民解放軍軍事科学院上級研究員は「中国が安全と感じるまでさらなる米国とロシアの削減」を条件に挙げた。中東の非大量破壊兵器地帯化を話し合う会議の開催見通しについてエジプトのハレッド・シャマア軍縮担当部長が「国連事務総長によるホスト国決定を待つ」と述べた。

 全体会議に先立つ基調講演では、国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長が原発や医療など多分野での核技術の有用性について話した。会議は国連軍縮部とアジア太平洋平和軍縮センターの共催。1989年から毎年国内で開き、松本市では初めて。

(2011年7月28日朝刊掲載)

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