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詩作通じヒロシマ訴え 英コベントリーのオーエンさん 広島訪問 「橋渡し」担う

 第2次世界大戦中、ナチス・ドイツ軍の空襲で壊滅的被害を受けた英国コベントリー市で活動する詩人アントニー・オーエンさん(42)が、被爆地広島を訪れた。コベントリー市の子どもたちの手紙を高校生に渡し、同市の市長から広島市長に宛てた親書も持参して、平和の「橋渡し」をした。

 訪問したのは広島女学院高(広島市中区)。英国から持って来たカーディナル・ニューマン・スクールの中学生たち7人からの手紙を1年生に渡すとともに、自分自身が書いた原爆に関する詩を説明した。

 コベントリー市では毎年8月6日に「ヒロシマ・ナガサキデーの集い」が開かれ、広島市長からのメッセージが寄せられている。松井一実市長への親書は、両市の友好関係の継続を期待する内容。市役所に持参した。

 このほか、平和記念公園(同)で詩の朗読会を開き、原爆資料館(同)や被爆樹木を見学。被爆者から体験談も聞いた。「広島の街全体から慰霊の思いを感じた。私のような外国人が原爆について書くと、世界の人々の心を揺るがしやすいはず。詩を通してヒロシマを訴えたい」と話していた。(二井理江)

(2015年6月22日朝刊掲載)

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