×

ニュース

シニア反戦劇 ジュニアが涙 石見国くにびき18座 全国で高校審査員賞 

 戦争をテーマにした群像劇を披露する島根県西部のシニア劇団「石見国(いわみのくに)くにびき18(いちはち)座」が、今月5~7日に仙台市で開かれた全国シニア演劇大会で、高校生が選ぶ「ジュニア審査員賞」に輝いた。反戦の思いが若者に届いたと、68~86歳の団員15人は喜んでいる。(森田晃司)

 同賞は今大会から新設され、演劇部員を含む高校生5人が選んだ。出演9団体のうち戦争をメーンテーマにしたのは同劇団だけで、高校生は閉会式で「私たちも見習うべきものがある」と評したという。

 演目は「クスの葉風」で、倒れる兵士や疎開する児童、戦災孤児をメンバーが1人最多5役で演じた。

 セットや衣装は手作り。空襲の場面は赤い布など簡単な道具で表現したが、脚本・演出の金田サダ子さん(69)=江津市嘉久志町=は「逆に一生懸命さが伝わった」と胸を張る。

 司会の20代男性も涙を流したという。最年長の本田カズエさん(86)=浜田市生湯町=は「若い人が感動してくれて本当にうれしい」と喜ぶ。

 高齢者大学校シマネスクくにびき学園西部校(浜田市)の同期生で2010年に結成の同劇団にとって初の全国表彰となった。

 本田さんと同じく最年長の大賀初義さん(86)=同市旭町=は「『平和の語り部』としての使命感と『みんなが主役』という仲の良さで続けてきた成果。地元の若者にもっと披露したい」と決意を新たにした。

(2015年6月22日朝刊掲載)

年別アーカイブ