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広島県、米軍に中止要請 低空飛行 広島市街で多発

 広島市西区や南区の市街地で今月、米軍機の低空飛行が相次いで目撃されている。住民から市への通報は9、11、13の3日間で計14件に上り、2日間9件だった2014年度の年間数を既に上回った。広島市街地の低空飛行が短期間に集中した例はこれまでほとんどなく、広島県は市街地で飛行しないよう国を通じて米軍に要請した。

 市平和推進課によると、米軍機の通報は9日の11件が最多。11日が1件、13日が2件だった。9、11の両日の飛行は午前7時ごろで、西区や佐伯区で目撃された。「ごう音が響いた」「寝ていたところ起こされた」などの苦情もあった。13日は、午前7時半ごろで南区と東区だった。

 市からの報告を受けた県が中国四国防衛局を通じて米軍に照会したところ、米軍機と認めた。所属基地や目的、飛行ルートなどの詳細は明らかにしなかったという。県は17日、「県民から不安や苦情が多く寄せられている」として、人口が密集する市街地の飛行を控えるよう防衛局を通じて米軍に求めた。

 一方、市民団体「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県西部住民の会」は22日、3日間の米軍機の飛行目的を明らかにし、低空飛行訓練の中止などを米国に働き掛けるよう求める要請書を外務省に出した。(野崎建一郎)

(2015年6月23日朝刊掲載)

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