×

ニュース

広島で初 マンガ学会 「ゲン」に焦点 シンポなど 27・28日

 漫画を研究する大学教授や評論家たちでつくる日本マンガ学会の第15回大会が27、28の両日、広島市中区のJMSアステールプラザである。研究発表のほか、国内外で読まれている原爆漫画で、中沢啓治の代表作「はだしのゲン」に焦点を当てたシンポジウムなどがある。広島での大会開催は初めて。

 「『はだしのゲン』の多面性」を共通テーマにした2部構成のシンポジウムは、28日にある。第1部は午前10時半から。広島も舞台となった「五色の舟」で、2014年の文化庁メディア芸術祭マンガ部門の大賞に輝いた漫画家近藤ようこさんたち3人が、漫画と戦争との関わりなどを俯瞰(ふかん)する。

 午後2時からの第2部は、西区出身の漫画家こうの史代さんや、同区在住の漫画家西島大介さんたち5人が登壇。ヒロシマや戦争を描いてきた漫画家たちが、「はだしのゲン」からどんな影響を受け、今後、同作をどう読み継いでいくのかなどについて語り合う。

 総会や会員による研究発表は27日の予定。参加費は各日500円。

 また、大会に合わせ、広島市などが、広島ゆかりの作家の複製原画の展示とイベントを、会場1階の市民ギャラリーで開く。入場無料。展示では、「はだしのゲン」をはじめ、あすなひろし「かたばみ抄」など13作家の作品を紹介する。

 同学会は、多くの世代に親しまれている漫画を学問的に研究しようと、2001年に発足。首都圏や関西を中心に、大会を年1回開いている。(石井雄一)

 広島市などが開く他の関連イベントは次の通り。

 【27日】午前10時から、近藤さんとこうのさんの対談。漫画家への歩みや創作がテーマ▽午後5時から、漫画家新久千映さんによるライブドローイング。

 【28日】午後1時から、こうのさんの「この世界の片隅に」を基にアニメ映画を製作している片渕須直監督のトークショー▽午後2~4時、比治山大短期大学部(東区)の学生による漫画創作のワークショップ。

(2015年6月23日朝刊掲載)

年別アーカイブ