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福島の避難者 祝島訪問 山口県上関 脱原発の思い重ねる

■記者 久保田剛

 福島第1原発事故を受け、福島県から広島市や福岡市などに避難したり、家族と離れて暮らしたりしている24人が28日、原発建設計画がある山口県上関町の祝島で計画に反対する住民と交流した。現状を報告し、脱原発への思いを重ねた。

 祝島公民館であった交流会に島の住民約60人が参加。避難中の11人がマイクを握った。

 4歳の長女と福岡市に避難中のハイロアクション福島原発40年実行委員会委員長の宇野朗子さん(39)は「子どもたちのためにも原発を動かしてきた社会を変えたい」とあいさつ。有機農家の夫婦は「農業ができなくなった。いつまで耐えればいいのか。見通しが立たないのが一番つらい」と訴えた。家族を広島市に避難させ、福島の職場に通う男性は「仕事のため家族と一緒に避難できない人は大勢いる。引き裂かれる思い」などと話した。

 24人は27日から祝島に滞在。28日は島の女性たちから島の食材を使った昼食のもてなしも受けた。島側の受け入れ世話人の一人、養豚農家氏本長一さん(61)は「被災した人たちの言葉は重かった。復興を助けるためにも交流を続けたい」と話していた。

(2011年7月29日朝刊掲載)

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