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被爆証言聞き絵描く 高陽東高生「平和な世に」 広島市安佐北区

 広島市安佐北区落合南の高陽東高の3年生29人が、被爆者2人から聞き取った体験談を基に、原爆の絵を描いた。23日、2人を同校に招いて披露した。

 証言者は同区の榎木克(かつし)さん(83)と東区の三宅洋子さん(75)。榎木さんは建物疎開中、爆心地から約1・5キロの南区の比治山橋東詰で被爆し、上半身にやけどを負った。三宅さんは自宅のあった当時の南段原町近くで兄とともに被爆したという。

 生徒は9日と16日、2人の体験を聞き、それぞれ心に残った場面をイメージを膨らませて、鉛筆や絵の具で画用紙に描いた。「強烈な光と痛みがきた」「幸せだった一日は全て吹き飛ばされた」などと証言を基にした文章も別の画用紙にまとめた。2人は「当時の光景が思い出される。自分では描けない作品ばかり」と感謝した。

 同校は約5年前から毎年、平和の大切さを生徒に考えてもらおうと、被爆者の証言の聞き取りを授業に取り入れており、ことしは初めて絵に取り組んだ。佐々木卓哉君(17)は「戦争のない平和な世の中になってほしい」と願った。(中川雅晴)

(2015年6月24日朝刊掲載)

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