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原爆で消えた町 営みの記憶 広島の団体が中島地区証言集

 原爆で消えた広島市中区の平和記念公園一帯の町並みをたどる活動をしている、ヒロシマ・フィールドワーク実行委員会が「証言 記憶の中に生きる町」を自費出版した。かつての中島本町、材木町、天神町、猿楽町の住民たち11人が戦前の営みを語っている。

 2011~14年の夏に、フィールドワークで証言した内容を収めた。繁華街の面影を残す町並みや、子どもたちが遊んでいた様子を回顧。今は原爆供養塔がある付近に住んでいた西区の高橋久さん(86)は元安川で友人と泳いだり、中島地区で映画を見たりした思い出を伝える。写真約80点も載せた。

 実行委は1994年から毎夏、元住民たちの記憶を聞く活動を続けており、証言集は5冊目。中川幹朗代表(56)=南区=は「公園となってしまった場所に、街が、家族があったと知ってほしい」と話す。A5判、176ページ。中島地区の復元地図付き。千円(送料別)。実行委Tel082(255)1923。(高本友子)

(2015年6月24日朝刊掲載)

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