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「沖縄戦」 戦没者を悼む 広島市中区 元学徒隊員展で遺族ら

 太平洋戦争末期の沖縄戦が終結したとされる23日、同戦の戦没者の遺族たちが、元女子学徒隊員を紹介する写真展を開催中の広島市中区の書店に集まり、黙とうをささげた。

 遺族や、沖縄で元学徒隊員の証言を聞き取っている広島経済大(安佐南区)の学生たち計約30人が参加。沖縄であった戦没者追悼式に合わせ、正午から1分間静かに目を閉じ、戦没者を悼んだ。

 旧海軍の軍医長で、沖縄県豊見城市の海軍司令部壕(ごう)で自決した小山正信さんの長男の正善さん(70)=府中町=は「父が戦地へ向かった後に私は生まれ、生前の姿を知らない。どんな気持ちで亡くなったのか、考えつかない」と話した。

 同大の岡本貞雄教授(宗教学)のゼミ生が写真展を紀伊国屋書店広島店で開催中で、遺族に参加を呼び掛けた。父石田儀郎さんを亡くし、学生と沖縄を巡る活動を続ける呉市の渡辺敞子(あきこ)さん(73)は「沖縄戦を知る人が減り、学生の活動は心強い。戦争の悲惨さや平和の大切さを語り継いでほしい」と願っていた。(加茂孝之)

(2015年6月24日朝刊掲載)

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