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原爆後の救助 無念語る 児童前に加藤さん 段原公民館

■記者 馬上稔子

 原爆投下の直後、段原国民学校(現段原小)で児童の救助に当たった被爆者の加藤義典さん(83)=広島市西区=が28日、南区の段原公民館で子どもたちに体験を語った。地域の母親グループと同公民館の主催で、近隣の小学生や保護者約60人が参加した。

 広島工専(現広島大工学部)の1年生だった加藤さんは、大州の工場で被爆し自宅に戻る途中、児童の救助に当たった。柱の下敷きになった児童を助けられず、校舎が炎上。手を合わせることしかできなかった無念さを、紙芝居や絵を見せて涙ながらに語り、平和の大切さを伝えた。

 比治山小3年の山根伶君(8)は「つらい気持ちが伝わってきて悲しくなった。原爆や戦争を二度と起こしてほしくない」と話した。

(2011年7月29日朝刊掲載)

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