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西城被爆者の会解散へ 庄原 高齢化 会員減少 来月16日総会

 庄原市西城町の被爆者でつくる「西城町原爆被爆者友の会」が解散する。25日、代表者会議を開き、解散総会を7月16日に開くことを申し合わせた。会員の高齢化や減少で活動の継続が難しくなり、昨年の総会で、被爆70年を区切りとする方針を固めていた。(山本堅太郎)

 同市西城町の市西城保健福祉センター「しあわせ館」であった会議では、竹下敦会長(84)たち5人が、最後となる総会の日程を話し合った。竹下会長は「皆さんの協力で、70年という節目までやってこられた。正直ほっとしている」と述べた。

 同会は1956年に発足。毎年、広島市である平和記念式典に参列し、会員の親睦を深めるための慰安旅行や交流会などを実施してきた。76年には、約50人の会員が被爆体験をつづった手記集「夾竹桃(きょうちくとう)」を作った。

 一方で、発足時に約450人いた会員は、約100人にまで減少した。2005年の1市6町合併時には解散も検討した。会員から被爆2世に活動の継承を望む声もあったが、引き継ぐ人材がいなかったという。

 同会は残りの活動資金で、手記集を再発行することにしている。竹下会長は「貴重な証言を残し、多くの人に被爆者の苦しみ、平和の喜びを知ってもらうきっかけになれば」と願う。広島県被団協の坪井直理事(90)は「正式に解散が決まったという話はまだ聞いていないが、県北でよく頑張ってくれたと思う。今は感謝の気持ちしかない」と話す。

 庄原市では、1市6町合併に伴い、東城町の被爆者団体が解散。08年ごろには総領町の被爆者団体が、活動の中心だった人が亡くなったために自然消滅した。

 広島県内でもことし、福山市原爆被害者の会、甲田町原爆被害者の会(安芸高田市)が解散した。

(2015年6月26日朝刊掲載)

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