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比治山公園に「平和の丘」整備案 広島市 著名人メッセージ碑/展望スポットの増設

 広島市は25日、比治山公園(南区)を「平和の丘」として再整備する構想の素案を明らかにした。平和記念公園(中区)を訪れた著名人のメッセージの碑建立や展望スポットの増設を手始めに、被爆100年を見据え、平和記念公園と並ぶ「平和を実感できる場」を目指すという。(川手寿志)

 素案は、事業例を着手時期で3期に分類。短期(5年以内)は、マザー・テレサたち著名人が原爆資料館(中区)の芳名録に残した平和への思いを1人1基の碑にして園路に並べる。見晴らしの良い場所の樹木を刈り込み、計9カ所で復興した市街地や瀬戸内海を眺められるようにする。西南戦争から第2次世界大戦までの戦没者の遺骨が眠る陸軍墓地も再整備する。

 中期(5~10年以内)は被爆建物の頼山陽文徳殿の活用や市現代美術館のリニューアルなどを列挙。長期(10年以上)では、放射線影響研究所(放影研)の移転を引き続き日米両政府にへ働き掛け、敷地を有効活用する。豊かな自然を生かし、ジョギング愛好家向けの温浴施設の整備も例に挙げた。総事業費は未定。

 標高約70メートルの比治山に、1903年に整備された市管理の公園は約26ヘクタール。平和記念公園から東に約2キロ。平和大通りの東端に位置し、市は再整備構想を、ことしの被爆70年を機にした「まちづくり先導事業」に位置付けている。

 この日、市企画総務局が市議会総務委員会で報告した。16年度に基本計画を作り、17年度に事業着手する方針。市政策企画課は「都心の立地特性を生かし、平和を実感できる魅力的な新拠点にしたい」としている。

(2015年6月26日朝刊掲載)

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