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被爆樹の強さ歌い継ごう 基町小で新ソング披露へ 児童ら歌詞提案 広島市中区

 被爆70年に合わせ、基町小(広島市中区)が、地域にある被爆樹木を見習って力強く生きようと誓う歌を作った。28日に校内で開く被爆祈念式典で住民に披露するため、児童が練習に励んでいる。

 曲名は「つなごう こころ」。命をつなぐ心が、世代を超えて継承されることを願う。3番まである歌詞は、6年生が提案した大切にしたい言葉を基にした。音楽教諭が歌詞に整え、曲を作った。

 〽すみ切った空に 伸びてゆく エノキのように たくましく

 モチーフは校内で育てている被爆エノキの3世。かつて学校近くに立ち、1989年に枯死した1世から世話を続け、子孫を絶やさないできた。同時に、平和を願う心を後輩へと引き継いでいる。

 このほか、歌詞に登場するクスノキは、学校の北側、爆心地から1090メートルの距離に立つ。「基町の象徴」として親しまれている。2011~12年に同校を4回訪れた漫画家の故中沢啓治さんのメッセージにちなみ、まっすぐ伸びる麦も歌詞に織り交ぜた。

 歌は最近完成し、各学年で練習を重ねてきた。24日にあった朝会で、全校児童約130人が初めて一緒に歌い上げた。6年生がバイオリン伴奏と指揮を担当した。

 28日の式典は午前9時から体育館で開く。司会の6年品川莉樹(りじゅ)さん(11)は「歌を通してみんな仲良く平和な町をつくりたい」。二宮孝司校長は「多くの人と命を大切にする思いを共有し、歌い継ぎたい」と話している。(山本祐司)

(2015年6月26日朝刊掲載)

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