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西条農高卒業生 原爆体験冊子に 東広島の資料保存推進協

■記者 新谷枝里子

 東広島市原爆被爆資料保存推進協議会は29日、西条農高の卒業生から、広島に原爆が投下された当時の体験の聞き取り調査を始めた。同日スタートした原爆展の会場で話を聞き、体験談として冊子にまとめる。

 会場の同市西条栄町の市中央生涯学習センターで、協議会の井東茂夫理事(81)たちが聞き取りをした。卒業生の坂内宏彰さん(83)=西条町=は、朝礼のため出ていた校庭で閃光(せんこう)を見たことや、救助で広島市に入って被爆した体験などを語った。

 調査は1945年当時の在校生が対象で、東広島市在住者を中心とした約180人に手紙で来場を呼び掛けた。井東理事によると「一部の生徒が広島市の工場での勤労奉仕中に被爆したことなど、分かっていることはわずか」という。

 協議会は、原爆展の最終日の8月4日まで聞き取りを続け、被爆者数や救援活動の実態も調べて冊子にまとめる。石井康隆会長(77)は「あの日に生徒が何をしていたのかを調べ、同年代の若者が平和の尊さを考えるきっかけになれば」と話していた。

 原爆展は同校と原爆との関わりをテーマに開き、救援隊の活動記録など19枚のパネルを展示している。無料。午前10時~午後5時。

(2011年7月30日朝刊掲載)

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