×

ニュース

追悼の被爆樹オカリナ 広島で演奏会 沼田鈴子さんしのぶ

■記者 金崎由美

 広島で被爆したアオギリの分身を彫って作ったオカリナの演奏会が29日夜、広島市中区の元安川に浮かぶ「かき舟ひろしま」であった。被爆アオギリの下で体験証言を続け、今月12日に87歳で亡くなった沼田鈴子さんをしのんだ。

 沼田さんと一緒にアオギリの種子を広める活動をしてきた広島アジア友好学院の山田忠文理事長(69)たちが主催。原爆犠牲者を追悼するため被爆クスノキを彫った観音菩薩(ぼさつ)像がある「かき舟」を会場にした。

 オカリナ奏者の江村克己さん(南区)たちが「アオギリのうた」などを演奏。被爆クスノキで作ったオカリナの音色にも約50人が聞き入った。

 安田女子高(中区)の家庭科教師だった沼田さんの教え子篠田恵さん(79)=中区=は「笑顔を絶やさない先生でした。一緒に演奏を聴きたかった」と目頭を押さえていた。

(2011年7月30日朝刊掲載)

年別アーカイブ