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ホスト国の指導力を 広島で外相会合 「オールヒロシマ」準備加速

 2016年の主要国首脳会議(サミット)の誘致を目指してきた広島市や広島県、広島商工会議所など官民の協議会は、首脳会合こそかなわなかったが、26日に外相会合の開催地に選ばれ「オールヒロシマ」での活動を実らせた。支援態勢を組んで準備を加速し、会議成功を後押しする。(和多正憲)

 市などは昨年8月に協議会を発足。10月には松井一実市長、湯崎英彦知事、深山英樹会頭がそろって外務省を訪れ、サミット誘致をアピールした。ただその後は外務省の意向もあり、ほかに目立った動きは見せなかった。

 しかし、伊勢志摩サミット開催決定後、18日にトップ3人が急きょ上京して岸田文雄外相に面会。「平和と希望の象徴として世界的求心力を持つ市」として、閣僚会合の中でも外相に絞った誘致の要望書を手渡し、攻勢をかけた。広島市ではこれまでに国連軍縮会議をはじめとした国際会議が開かれている。2008年9月には、G8下院議長会議も開催され、米国のペロシ下院議長らが被爆者の体験を聞き、原爆資料館を見学するなどした実績もある。

 松井市長によると、26日朝、登庁前に岸田外相から「閣議で(外相会合開催地を)発表する」と直接連絡があったという。

 松井市長は市役所で記者団に対し「外相は広島出身。思いを強く受け止めてもらった」と説明。深山会頭も「今回の誘致に最大限の尽力をいただいた」と岸田外相への謝意を示した。

 市は外相会合の会場に、グランドプリンスホテル広島(南区)を想定。今後、協議会メンバーを中心に官民の支援組織を発足させ、外相会合開催の機運や歓迎ムードを盛り上げる方針だ。近く、新たな担当課長を含む専従職員も置く。

(2015年6月27日朝刊掲載)

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