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8・6まで1週間 被爆電車で劇 実相学ぶ 市内各地イベント

■記者 衣川圭

 原爆の日を1週間後に控えた30日、被爆の実相を伝え、核兵器のない世界の実現を訴えるイベントが、広島市内の各地であった。被爆電車で朗読を聞いたり、慰霊碑を回ったりして、平和の尊さをあらためて確認した。

 西区の三つの公民館が企画した広島電鉄の被爆電車の乗車体験には、市内の小学生と保護者約30人が参加。故井上ひさしさんの朗読劇「少年口伝隊一九四五」を、市内の愛好家たちが演じた。

 家族を失った少年3人が、新聞のニュースを口頭で伝える仕事をしながら、景色や生活が一変したヒロシマで生きる物語。西区の広島大付属小3年猪大翔君(9)は「戦争のせいで命や大切なものを失ってかわいそう」と真剣に見つめていた。

 慰霊碑案内のボランティア団体「ヒロシマ」は中区白島地区の碑を訪ねた。中区の清水和子さん(71)は「亡くなった人が語りかけてくる気がする」。

 広島、福山両市の高校生約70人は、中区の4カ所で核廃絶を訴える署名活動を展開。米国ニューヨークの国連本部に届ける。

 中区の平和記念公園では、小中学生13人が原爆ドームの絵を描いて66年前の惨劇に思いをはせた。西区の庚午第一公園には灯籠が並び「笑顔」「きずな」などのメッセージが夕闇に浮かび上がった。

(2011年7月31日朝刊掲載)

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