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広島の経験から内部被曝に警鐘 元軍医・肥田さんが講演

■記者 長久豪佑

 元軍医で被爆者治療に尽力した日本被団協中央相談所(東京)の前理事長肥田舜太郎さん(94)=さいたま市=が30日、広島市安佐北区の落合集会所で講演した。住民たち約140人に自身の被爆体験や福島第1原発事故の影響について語った。

 肥田さんは原爆投下直後、戸坂村(現在の東区)で治療に当たった。「被爆3日後に広島に入った人が、血を吐いて死んでいった」と証言し、内部被曝(ひばく)の危険性を指摘した。その上で福島第1原発事故に言及し「何も知らない福島の子どもたちが将来、重い病にかかるかもしれない」と懸念した。

 安佐北区の被爆者たちがメンバーの「ひまわり会」が招いた。肥田さんは「被爆者は、不安を募らせている福島の人たちの相談相手になれる。機会があればヒロシマの経験を話してほしい」と求めた。

(2011年7月3日朝刊掲載)

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