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「地震国 原発なくなって」 広島の「母親大会」で吉永小百合さん語る

■記者 平井敦子

 俳優吉永小百合さんが広島市内で31日、東京電力福島第1原発の放射能漏れ事故に関連して「日本のような地震の多い国で原子力発電所がなくなってほしい」と述べ、電力を原発に依存しない「脱原発」社会の実現を願う考えを示した。

 吉永さんはこの日、「日本母親大会」に招かれ、同市中区の広島国際会議場でライフワークとしている原爆詩の朗読を披露した。

 朗読に先立ち、吉永さんは「『原子力の平和利用』という言葉がよく使われていて、何となくそれをあいまいに受け止めてしまっていた」と東日本大震災以前を振り返った。さらに「高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉に向けた運動には参加していたが、普通の原子力に関して私はもっと知っておくべきだった」とも発言した。

 吉永さんは「いろいろな思いを込め、祈りたい」と語り、故大平数子さんの「慟哭(どうこく)」など9編の原爆詩を朗読。市内の小学生や高校生らとともに「折り鶴」を合唱した。東北地方からの参加者を含む聴衆約1500人から盛大な拍手を浴びていた。

(2011年8月1日朝刊掲載)

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