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平和な世界へ道照らして ヒロシマ平和の灯のつどい

■記者 和多正憲

 核兵器廃絶を願う「ヒロシマ平和の灯(ともしび)のつどい」が31日夜、広島市中区の平和記念公園であった。福島第1原発事故の深刻な被害を受け、市民約100人が原発も含めた「核なき社会」の実現をろうそくの灯に託した。

 午後7時半、旧ソ連の核実験場があったカザフスタンの留学生たちが公園内の「平和の灯」から採火。参加者は火を分け合ったろうそくを持って黙とうし、原爆慰霊碑の周辺を静かに歩いた。

 開会に先立ち、公園一帯の慰霊碑巡りも実施。参加者はガイドの話を聞きながら、公園内の原爆供養塔や「嵐の中の母子像」などを回り、ヒロシマの歴史に触れた。

 市女性団体連絡会議が主催し、今年で13回目。信政ちえ子副会長(61)は「福島の事故から学び、広島の体験を語り継ぎたい」と説明。参加した主婦住田和子さん(64)=広島県府中町=は「広島が焼け野原から復興したように、いつか福島の人も故郷で暮らせれば」と願っていた。

(2011年8月1日朝刊掲載)

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