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「ゲン」朗読劇 広島で初公演 4日松江の劇団 被爆70年 平和訴え

 被爆70年に合わせ、松江市の「劇団 幻影舞台」が、漫画「はだしのゲン」を題材にした朗読劇を4日午後4時から、広島市西区横川新町の西区民文化センターで上演する。2年前に社会問題化した松江市教委による閲覧制限を受け、故中沢啓治さんの原作に込められた家族愛や平和への思いを再認識してもらおうと劇団が創作した。「ゲンの古里」である広島市での公演は初めて。(樋口浩二)

 原作と同名の朗読劇は約50分。原爆投下前、戦渦が日常生活を脅かしていく中での家族愛を描き、平和の尊さを訴える。

 松江市教委は2012年12月から13年1月にかけて、「一部の過激な描写」を理由に小中学校の図書館にある「ゲン」の閲覧を制限するよう学校側に要請。同年8月に発覚後、市教委は制限を撤回した。これを機に、劇団を主宰する清原真さん(66)が「大人の独断でメッセージ性の強い作品を封じる社会に一石を投じたい」と脚本を執筆した。

 13年10月に松江市で初演。今回の「里帰り公演」に向け、団員15人は広島市出身の島根大生の指導で広島弁を磨いているという。清原さんは「広島の地で、ゲンに描かれた平和と愛の心を感じて」と話す。

 当日は午後3時から、廿日市市の主婦三嶋千賀子さん(65)による原爆をテーマにした一人芝居もある。一般2500円、高校生以下1500円。清原さんTel090(7503)4689。

(2015年7月1日朝刊掲載)

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