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「最後」の日米戦艦に迫る 大和ミュージアム 開館10周年 70点を展示 呉

 広島県呉市の大和ミュージアムの開館10周年を記念する特別企画展「日米最後の戦艦展 戦艦大和とミズーリ」が1日始まる。太平洋戦争中に米国の戦艦ミズーリに突入した旧日本軍の特攻機の破片など、日本では初公開となる資料を含む約70点を展示する。来年1月31日まで。(小島正和)

 大和は旧海軍が最後に建造した大和型戦艦の1番艦。ミズーリは米国で最後に退役した戦艦で終戦後の1945年9月、降伏文書調印の場所にもなった。企画展は2艦にまつわる資料を軸に太平洋戦争を振り返る。

 特攻機の破片や部品は米国ハワイにある戦艦ミズーリ記念館の所蔵品。約20~3センチの計5点を借り受けた。黒く焦げてちぎれた破片もある。45年、旧日本軍の沖縄沖での特攻作戦の際、ミズーリの右舷に衝突。ミズーリが執り行った特攻隊員の水葬の様子を収めた写真も展示する。

 大和関連では、世界最大の46センチ主砲の砲尾部分を再現した高さ3メートル、横2メートルの実寸大の模型がメーン。旧呉海軍工廠(こうしょう)の主砲開発の過程が分かる技術文書も公開する。

 30日は搬入作業があり学芸員たちが入念に点検した。戸高一成館長は「政治や外交の背景も絡めながら戦艦の推移をたどることができる」と来場を呼び掛けている。

(2015年7月1日朝刊掲載)

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