×

ニュース

70年 誓い新たに 二度と原爆にも戦火にも遭いたくない 岡山で原爆死没者慰霊祭 年内めど 体験記集め記念誌発行

 県原爆被爆者会の原爆死没者慰霊祭が30日、岡山市北区のホテルであった。被爆者や遺族たち約80人が参列。被爆70年となる節目の年に、犠牲者の冥福を祈るとともに恒久平和を誓った。(永山啓一、持田謙二)

 全員で黙とうした後、土屋圭示会長(87)が「まさに生き地獄の実相は忘れようとしても忘れられない。今こそ核兵器廃絶に向けて力強く歩まなければいけない」とあいさつ。被爆者や遺族たちが祭壇に花を手向け、「原爆を許すまじ」の歌を合唱した。

 陸軍病院江波分院(広島市中区)で被爆し、その後も看護師として救護活動を続けたという津野瀬好子さん(90)=新見市足立=は「不眠不休で救護をする中、毎日何十人もの人が亡くなった。二度と原爆にも戦火にも遭いたくない。絶対に」と話した。

 続く同会代議員総会で、被爆70年記念事業を承認した。年内をめどに被爆体験記を集めた記念誌を発行、8月10日に岡山市中区の奥市公園で記念碑を除幕する。

 県内では2014年度、被爆者健康手帳を持つ被爆者97人が亡くなり、今年3月末現在の手帳所持者は1767人、平均年齢は81・9歳となっている。

(2015年7月1日朝刊掲載)

年別アーカイブ