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移転の段原中で慰霊祭 生徒や卒業生500人が出席 「悼む気持ち不変」

■記者 金崎由美

 広島市南区の段原中で31日、原爆死没者慰霊祭があった。市内で最後の被爆教室が残っていた同中は、地区の再開発で4月、近くの新校舎に移転。慰霊碑も移され、初の慰霊祭となった。

 同中の前身は市立第一国民学校。66年前、建物疎開作業に出た生徒と教師50人が犠牲になった。慰霊祭には生徒や卒業生たち約500人が出席。校庭脇の慰霊碑に、花束や折り鶴をささげた。

 一高会原爆慰霊碑建設委員会の戸井五郎会長(81)は「慰霊碑の場所は変わっても犠牲者を悼む気持ちは変わらない。在校生に平和の大切さを感じてもらいたい」と話していた。

 慰霊祭に先立ち、平和の集いもあり、核兵器廃絶をめざすヒロシマの会の森滝春子共同代表が講演した。

 6月に肺がんの手術をして以来、初めての講演。インドのウラン鉱山や劣化ウラン弾が使われたイラクを訪ねた体験や、福島第1原発事故を踏まえ「核兵器も原発も、ウラン採掘に始まる各プロセスで被害者を出す。核被害はヒロシマだけでない」と訴えた。

(2011年8月1日朝刊掲載)

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