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[戦後70年 継承しまね] 遺品が語る戦争と古里 浜田郷土資料館で企画展 戦前知るガイドが待機

 戦後70年の節目に、戦争と浜田の関わりを振り返る企画展が1日、島根県浜田市黒川町の市浜田郷土資料館で始まった。戦死者の遺品や旧陸軍歩兵第21連隊(同町)の資料を展示。歴史愛好家でつくる同館友の会の会員が8月30日までの期間中、ボランティアガイドを務め、次世代に戦争の悲惨さを伝える。(森田晃司)

 軍服、軍靴、軍刀などの遺品、21連隊の写真や地図のほか防空頭巾や消火用布バケツなど、明治期以降の計389点が並ぶ。

 開館した1984年以降に市民が寄贈した品々で、ことしは21連隊のラッパが加わった。寄贈した竹内玲子さん(86)=同町=は「亡くなった義父の自慢で、棚に飾られていた。朝、夕にラッパの音が聞こえる町だったことを多くの人に知ってほしい」と願う。竹内さんは片仮名の教科書や千人針を懐かしそうに眺めていた。

 戦争をテーマにした展示は2002年以来2度目。戦後70年たち、戦争体験を語り継ぐ機会が減ってきたことを受け、初めてガイドを待機させる。同会会員60人のうち戦前戦後を知る約15人が交代で、来館者の求めに応じて体験を話す。

 この日、開会式があり、神山典之会長(87)=同市錦町=は浜田中(現浜田高)に在学中、クラス全員が海軍飛行予科練習生を志願し、翌日の新聞に美談として載ったことを紹介。「兵隊になれと担任に毎日言われた。自分で進路や人生を考えられない時代があったことを若い人に伝えたい」と決意を語った。

 月曜休館。無料。ガイドの時間帯は要確認。同館Tel0855(23)6453。

(2015年7月3日朝刊掲載)

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