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『フクシマとヒロシマ』 内部被曝線量検査 予約受け付けを開始

■記者 河野揚

 広島大は1日、福島第1原発事故で内部被曝(ひばく)の不安を抱える福島県民を対象に、全身測定装置「ホールボディーカウンター(WBC)」による被曝線量検査の予約受け付けを始めた。これまでは対象を原発周辺で活動した消防士と警察官に限っていたが、要望が強い一般にも対象を広げた。

 WBCは広島大病院(広島市南区)にある。検査は毎週月曜日午後。時間は1人当たり約30分で、1日3~5人を予定する。費用は2万円で全額自己負担となる。電話予約は平日午前10~11時、広島大緊急被ばく医療推進センター事務室Tel082(257)5862で受け付ける。

 体内の放射性物質から出る放射線から核種や量を特定し、パソコン画面で確認する仕組み。自然界の放射線を遮るため、厚さ25センチの鉄板で囲った密室で測定する。医師が評価の結果を伝える。

 WBCは国内に約100台あり、原発や緊急被曝医療機関に指定された大学病院などが保有している。

 広島大は7月25日から、原発事故後に行方不明者の捜索に当たるなどした消防士などに限って検査予約の受け付けを開始したが、現時点での申し込みはない。一方、福島県から広島に避難している一般の人から検査要望が相次いでいたという。

 広島大原爆放射線医科学研究所の細井義夫教授(放射線災害医療)は「福島県民の不安を少しでも解消するため、被曝医療の蓄積を役立てたい」と話している。

(2011年8月2日朝刊掲載)

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