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東電の賠償7753万円 原発風評被害 島根県対策費 10・11年度分合意 肉牛にわら餌使用

 島根県は3日、東京電力福島第1原発事故に伴う県産牛肉の風評被害などへの2010、11年度分対策費として東電に請求した損害賠償1億2341万円のうち、東電が7753万円を支払うことで合意したと明らかにした。(秋吉正哉)

 この日の県議会農水商工委員会などで説明した。県が同事故の損賠請求で支払いを受けるのは初めて。県によると、青森、岩手県など10県が支払いを受けたという。中国地方で請求しているのは島根県だけ。

 原発事故後の11年7月、飯南町の肉牛肥育施設で使っていた宮城県産の稲わらから、国の暫定基準値を上回る放射性セシウムを検出。県産牛肉の価格が下落するなど風評被害が発生したため、県は出荷前の肉牛約3200頭を全頭検査するなどして対応した。

 請求のうち、県が全頭検査や安全をPRする広報活動費とした約1億306万円は6133万円が支払われる。合意できなかった部分は今後、東電と協議する方針。

 県は12年度以降も全頭検査を続けており、15年度一般会計当初予算では約5200万円を計上した。県農産園芸課などは「12年度以降の対策費は準備が整い次第、請求する」としている。

(2015年7月4日朝刊掲載)

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