×

ニュース

「政治的中立性に疑問」 安保法案で模擬投票 柳井高授業 自民県議が議会で指摘

 安全保障関連法案について生徒が賛成、反対の意見発表や模擬投票をした柳井高(柳井市)の授業に対し、自民党県議が3日の県議会一般質問で「政治的な中立性があるのか疑問」と指摘した。「18歳選挙権」を受けて政治教育を模索する取り組みへの批判に、非自民党県議からは「現場を萎縮させてはいけない」とやじが飛んだ。

 授業は改正公選法の成立を受け、来夏の参院選で有権者となる予定の2年生の政治参加意識を高めようと、6月24日に企画された。同法案をめぐる党首討論や政府見解などを取り上げた全国紙2紙の記事を資料配布。32人が8班に分かれて賛否と理由を表明し、最も説得力のあった班を選ぶ模擬投票をした。

 これに対し、自民党の笠本俊也氏(長門市)は「各紙で記事の論調も異なる。特定の記事を教材に、投票行動までさせた授業は政治的な中立性が問われる高校教育現場にふさわしいか疑問」と主張。法案や国会の議事録を基にした方がよい授業になるとした。

 県教委の浅原司教育長は答弁で「テーマの全体像や背景を理解させるための多様な資料の提供ができていなかった。県教委の指導も不十分だった」と謝罪。政治的中立性の確保や適切な資料の取り扱いを盛り込んだ指針を今後まとめるとした。(村田拓也)

(2015年7月4日朝刊掲載)

年別アーカイブ