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広島や福島 懐かしの風景 筆の里工房で男鹿和雄展開幕 広島県熊野

 アニメーション美術の男鹿和雄さん(63)=東京都=が、俳優吉永小百合さんの詩の朗読CDの挿絵として描いた広島や福島などの風景を集めた「第二楽章 男鹿和雄展」(中国新聞社など主催)が4日、熊野町の筆の里工房で始まった。8月30日まで。

 CD「第二楽章」は1997年から本年までに広島、長崎、沖縄、福島の4編が発売された。出品作は、春の田園風景や入道雲の下のビル街、南海で泳ぐ亀など綿密な筆遣いの水彩画を中心にした計276点。落ち着いた構図で懐かしさを感じる風景が多い。原爆詩人、原民喜の詩に添えた被爆直後の惨状のイメージ画もある。

 「となりのトトロ」の美術監督として有名な男鹿さんは、83年に「はだしのゲン」の美術監督を務めてから戦争について考えるようになったという。「吉永さんが読む平和詩に若い人が注目してもらうよう願って描いた」と話した。

 同展は、同工房の戦後70年特別企画。会場には男鹿さんがデザインした紙を使う折り紙コーナーもある。(田中伸武)

(2015年7月5日朝刊掲載)

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