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熱唱 被爆レクイエム 旧制二中生悼み「広島メンネルコール」 10年ぶり 45分の大作披露

 男声合唱団「広島メンネルコール」(松本隆史団長)が5日、創立60年と被爆70年に合わせ、原爆で犠牲になった旧制広島二中(現観音高)1年生の動員学徒を悼む合唱曲「レクイエム碑(いしぶみ)」の全9楽章を広島市中区のJMSアステールプラザで上演した。45年前に初演した45分の大作を10年ぶりに歌い切った。(樋口浩二)

 現役団員と全国から集った元団員たち30~80歳代の82人が四部合唱を被爆ピアノの調べに乗せた。被爆直後を表す「爆発」や「全滅」で原爆の威力と悲惨さを表現した。「広島を思う人あれば広島は永遠にあり」。希望のメッセージで締めくくると、約1200人の観客から2分近く、拍手が鳴り響いた。

 西区の会社員中原梓さん(32)は「悲惨な情景が浮かび、胸が痛んだけど、私たちが平和を築かなければという前向きな気持ちも湧いた」と感激した。

 レクイエムは、二中2年で被爆した元団員の山本定男さん(84)=東区=が後輩をしのんで曲作りを提案し、初演のタクトも振った。この日は合唱に参加した山本さんは上演後、「志半ばで亡くなった後輩たちのためにも末永く歌い継がれてほしい」と願った。

(2015年7月6日朝刊掲載)

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