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被爆2世 継承のタクト 山下さん市長訪問 5日に広響コンサート

■記者 野田華奈子

 広島市東区出身で被爆2世の指揮者山下一史さん(49)=東京都世田谷区=が1日、タクトを振るう広島交響楽団の「平和の夕べ」コンサート(5日)を前に、市役所に松井一実市長を訪ねた。

 山下さんは「近く被爆者がいなくなる。コンサートでは特別な思いを込めたい」と語った。同じく被爆2世の松井市長は、亡くなった自身の母が同年代だと述べ「伝えることを今やっておかないと」と共感した。

 山下さんの母博子さん(84)は爆心地から800メートルの大手町で被爆。抜け落ちた髪を原爆資料館(中区)に寄贈し、常設展示されている。

 仙台フィルハーモニー管弦楽団正指揮者の山下さんは3月11日、仙台市内で東日本大震災に遭った。「震災の年に故郷の広島で指揮できるのは意義深い。音楽を続けることが復興につながる」と話している。

 コンサートは中国新聞社など主催。5日午後7時から中区の広島国際会議場である。広響事務局Tel082(532)3080。

(2011年8月2日朝刊掲載)

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