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原爆資料館で「伝承者」講話 来場者伸び悩み会場変更 広島平和文化センター

 広島平和文化センターは6日、「被爆体験伝承者」の講話会を広島市中区の原爆資料館東館地下1階で始めた。資料館の改修に伴い、4月の開始以来、同じ平和記念公園内の国立広島原爆死没者追悼平和祈念館研修室で開いてきたが、来場者が1回平均8人と伸び悩んでいるため。今月末まで毎日2~4回定時に開き、定着するかを見極める。

 講話会では、約3年間の研修を終えた伝承者の1期生が被爆者から受け継いだ記憶や平和への思いを語っている。ただ二つある祈念館研修室は、被爆者が修学旅行生たちに証言する際などにも使うため、講話会は実施時刻を固定できずに来場者がゼロだったり、開けない日もあったりした。

 このため、センターは年間の入館者数が約5倍で、もともと会場に想定していた資料館での試験開催を決定。東館地下1階のロビーの一角30平方メートルを簡易に間仕切りし、椅子24脚を置いた。17日までの平日は午後1時からの回は英語で、2時半からは日本語で講話。土日曜と、18日以後は毎日、午前11時と午後4時の2回、日本語を加える。

 初日は、2回計23人が聞き入った。米国から訪れた大学4年のアユミ・カミカワさん(22)は伝承者の辻靖司さん(73)の英語での講話に、「学校の授業では学べなかった事実を知った。衝撃を受けたし、聞けてよかった」と話した。

 8月1~16日は東館地下で他の催しがあるため、祈念館で開く。17日以後は、7月の結果を踏まえて検討するという。(高本友子)

(2015年7月7日朝刊掲載)

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