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[戦後70年 継承しまね] 戦争に染まった青春 証言 神山さん 浜田の郷土館 見学の児童、神妙

 旧制浜田中(現浜田高)を中退して海軍飛行予科練習生となり、特攻訓練中に終戦を迎えた、浜田市浜田郷土資料館友の会会長の神山典之さん(87)=同市錦町=が7日、同館で児童に体験を語った。学校教育が軍国主義に染まり、若者が戦争に巻き込まれる怖さを説いた。(森田晃司)

 神山さんは同中4年だった1944年9月、鳥取県の美保海軍航空隊に入隊。45年7月ごろ、長崎県の川棚突撃隊に移り、潜水して敵艦を狙う人間機雷「伏龍(ふくりゅう)」の訓練を受けた。上官に遺書を書かされたが、「死にたくない」と本音を記した。出撃の指示がないまま、8月の終戦を迎えた。

 この日、戦争がテーマの企画展を見学した松原小(同市浅井町)6年生38人に「軍隊と同じゲートルをはき、軍人勅諭を覚えさせられた」と学生生活を説明。「学校で軍隊に入るよう勧められるのは『おまえ、死ね』と言われるのと同じこと。若者がこんな思いする時代が二度とあってはならない」と訴えた。

 「戦争でいいことはありましたか」との質問には「太平洋戦争初期に戦勝記念で長靴の配給があったほかは、何一ついいことはなかった」と答えた。下本晴子さん(12)は「戦時中に大変な思いをしたことが分かった。平和な世の中が続いてほしい」と話していた。

 展示は8月30日まで。月曜休館。無料。同館友の会会員がボランティアガイドを務める。同館Tel0855(23)6453。

(2015年7月8日朝刊掲載)

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