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国際平和拠点構想 広島「世界の人材が対話深める場」 作業部会が初会合

■記者 村田拓也

 広島県は2日、「国際平和拠点ひろしま構想」の策定に向けた作業部会の初会合を広島市南区のホテルで開いた。構想で掲げる広島の役割について「核兵器廃絶や平和構築に関する多様な人材を世界から集め、対話を深める拠点」を基軸とすることで一致した。

 会合は非公開。阿部信泰元国連事務次長や米プリンストン大のジョン・アイケンベリー教授(国際政治)、米スタンフォード大のスコット・セーガン教授(安全保障)たち構想の策定委員を含めた約10人が約4時間、意見交換した。

 終了後、作業部会チームリーダーを務める東京大大学院の藤原帰一教授(国際政治)たちが会見。会合では、県独自の平和賞創設や復興支援の拠点としての人材育成策などが提案された。核兵器の削減目標を示すかどうかも議論され、意見が分かれたという。

 藤原教授は「核兵器の問題を関係政府に委ねるのではなく、自治体や非核保有国の役割を考えたい」と強調した。作業部会はこの日の議論を踏まえ、10月に広島市である策定委員会(座長・明石康元国連事務次長)でまとめる構想の素案づくりを進める。

 構想の策定は湯崎英彦知事が2009年11月の知事選で掲げたマニフェスト(公約集)の一つ。湯崎知事は11月、構想を米ニューヨークの国連本部で発信する予定でいる。

国際平和拠点ひろしま構想
 (1)核兵器廃絶に向けた手順づくり(2)平和の障害となる紛争や貧困の解決(3)核兵器廃絶後の安全保障の在り方―の三つの課題について、どう解決するかを提言する。5月24日に発足した策定委員会の委員は、明石康元国連事務次長、川口順子元外相、米国のウィリアム・ペリー元国防長官、オーストラリアのギャレス・エバンズ元外相たち9人。国内外の著名人が名を連ねたため、委員会を開くのは10月の1度だけとなっている。

(2011年8月3日朝刊掲載)

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