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若い世代に伝えたい 「禎子の願い」カードに託す

■記者 滝尾明日香

 被爆後、白血病のため12歳で亡くなった「原爆の子の像」のモデル、佐々木禎子さんの肖像画のポストカードが9月にも発売される。禎子さんの兄雅弘さん(70)=福岡県=が「禎子のことをもっと知ってほしい」と、広島市中区在住のデザイナー藤重日生(てるお)さん(72)と準備を進めている。

 ポストカードに描かれているのは、禎子さんが亡くなった1955年、入院先で撮影された写真を基にした肖像画。おかっぱ頭で正面を見つめる顔を藤重さんがスケッチし、背景に折り鶴を添えた。

 平和をテーマにポストカードを制作してきた藤重さん。平和記念公園(中区)を訪れた学生から「禎子さんの名前は知っているが、顔が分からない」と言われた。昨年9月、雅弘さんに禎子さんの肖像の利用を打診。雅弘さんは1度断ったが、妹が生きた証しを後世に残そうとの思いに共感し、自らが運営するNPO法人でポストカードを発行することを藤重さんに提案した。

 雅弘さんは「禎子の心や原爆の悲惨さをあらためて感じてほしい」と思いを込め、藤重さんも「若い世代に手に取ってほしい」と話す。価格未定。メールアドレスsadako@sadakoーjp.com

(2011年8月3日朝刊掲載)

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