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折り鶴、卒業証書に 被爆70年 広島市立校で再生紙

 広島市教委は被爆70年の本年度から、市立の全幼稚園や学校で授与する卒園、卒業証書に、平和記念公園(中区)の原爆の子の像にささげられた折り鶴の再生紙を使う。8日開かれた教育委員会議で報告した。国内外から託された核兵器廃絶や平和への願いを、ヒロシマの子どもたちに受け継いでもらう。

 市教委によると、市教委や各高校が業者に発注し、折り鶴の再利用を示す市のロゴマークや校章をプレス加工で浮かび上がらせるなど、デザインも工夫する。現在の証書は上質紙を使っている。

 対象は幼稚園、小中学、高校、特別支援学校の卒園、卒業生で、本年度(5月1日時点)は233校計2万3265人。

 市教委では従来、水泳大会の記録証などに折り鶴の再生紙を使用。昨年度、市立広島商高(東区)が生徒の発案で初めて卒業証書に用い、仕上がりに問題はなかったという。学事課は「折り鶴を証書に使う意義も生徒に伝え、学校生活の最後に平和の大切さを感じられるようにしたい」としている。

 原爆の子の像には世界中から年間1千万羽、10トン分の折り鶴が寄せられているといい、市は2012年度から団体や個人に無償で配っている。(菊本孟)

(2015年7月9日朝刊掲載)

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