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走る閃光 核を問う 「ヒロシマ・アピールズ」ポスター発表

■記者 山崎雄一

 日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)と広島国際文化財団は2日、ことしの「ヒロシマ・アピールズ」ポスターを発表した。タイトルは「負の閃光(せんこう)」。原爆ドームと原爆投下の瞬間を描き、核の脅威を訴える。

 東京都渋谷区のグラフィックデザイナー遠藤享さん(77)が制作した。B1判のポスター下部に配したドームの上を黄、赤の光の筋が走る。背景は白、黒、灰色の無数の筋で「黒い雨」や「放射能」をイメージした。遠藤さんは東日本大震災の直後にJAGDAから制作依頼を受け、約3カ月かけ完成させた。

 広島市役所で記者会見した遠藤さんは、3月下旬に写真撮影で市を訪れた際「原爆ドームと福島第1原発の建屋が重なって見えた」という。「震災で日本が異常な空間になった。広島のシンボルを描き、核兵器、原発を再度考えてもらいたいと思った」と語った。

 ポスターは14作目。2千枚作り、市内の書店などで1部1050円で販売する。これまでの作品とともに14日まで、広島県立美術館(中区)で展示する。

(2011年8月3日朝刊掲載)

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